仕事

CRA職が「忙しい」と噂される2つの理由

どうも、心一です。

今回はCRAの仕事がハードと言われる理由について触れていきます。

聞こえは良くないですが、ブラックと噂される・給料が高い理由はここだろうなという部分です。

CRAという仕事が気になっている人は必見ですよ!

 


立ち上げの時期

プロジェクトが発足したての時期ですね。

会社ごとに呼び方が若干違うと思いますが、プロジェクトの時期には下記の4段階があります。

①施設選定
②施設立ち上げ(初回申請)
③モニタリング
④治験終了

「立ち上げ」と呼ぶのは①施設選定と②施設立ち上げの段階だと思ってください。

①施設選定の細かい流れはこんな感じです。
  1. クライアント(製薬企業)の開発職が治験を実施してくれそうな施設をリストアップ
  2. 製薬企業の開発職とCRO企業のプロジェクトマネージャーが話し合う
  3. プロジェクトマネージャーがチームの各CRAに調査してきてほしい施設を割り振る
  4. CRAが施設に連絡を取り、説明のため伺っても良いか連絡を取る
  5. 実際に訪問。治験について詳しく説明し、実施可能かどうかを聞く
  6. 実施可能なら②施設立ち上げに移行する
さて、これの何がしんどいポイントかというと割り振られるのは1施設だけではないことです。

新人でも少なくとも2施設は割り振られますし、経験者になると5施設以上もありえます。

 

次に覚えること・書類手続きが多いことです。

選定・立ち上げをするということはプロジェクトとして発足したてです。

つまりチームに所属するCRAも配属されたてで、その治験の詳しいことは把握できていません。

 

プロトコル(治験実施計画書)、書類の手続き方法を勉強しながら実務をこなしていく器用さが必要です。

説明にあがるのにプロトコルの内容をキッチリ理解していないと、施設スタッフからの質問に答えることができず信用を失い、それが原因で治験をしてもらえない事だってありえます…。

 

また、施設訪問した際はプロトコルの内容のみを把握していればオッケーではありません。

秘密保持の文書や、PI(治験責任医師)自身が政府と不当な関係にないことを証明する文書、安全性情報発行時の伝達方法を記したレターの説明などなど、一回の訪問ですることは山積みです。

書類手続きは大まかな流れや作成責任はGCPで定められていますが、実務ではGCPに記載されているようにシンプルではありません。

チームの体制によっては書類作成のみやクオリティ確認のみをする役割の人が入っていたり入っていなかったりしますし、
(CRAの負担が軽くなるので入っている方が助かるのですがチーム内のやり取りが複雑になっている気がする時もあります)

施設によっては温度管理に特有のフォーマットを使っているのでそれぞれの治験に最適化することや、同意説明文書の印刷は企業側でしてくださいとお願いされたり…、

実際にやってみるとあれやこれやとたくさんタスクが湧いてきます(笑)

そんなこんなをくぐり抜けて選定がオッケーとなれば、その施設で治験を開始するため次のステップに進みます。

社内外で数々の書類手続きをしたり、大きい病院であればヒアリングの対応も必要になったりします。
※ヒアリング:PIやCRC以外で治験業務をしてもらうスタッフ(例:薬剤師、看護師、検査技師など)にそれぞれの役職として実施してほしいことを伝えるミーティング

その後にIRB審議依頼、契約締結、治験薬搬入、スタートアップミーティングと行って、やっと患者さんを組み入れできる(=治験を開始できる)ようになります。

しんどさの明確な目安はないですが、帰るのが22時という毎日が数ヶ月続くと思います。

ちなみにですが、残業代は基本的に出るところが多いので安心して良いと思います。

が、フレックスタイム制でもあるため、業務時間のどこからどこを残業とみなすか上司と事前に話し合って承認が降りてから残業を行う必要があります。

残業が認められなかった場合は8時間を超過した分、別の日は早く帰るなどの調整も必要になってきます。

まぁそんな時に限って仕事量が減らず、中には家にPCを持ち帰ってサビ残をするなんてことも業界じゃよく聞く話です。

新人CRAのうちは、比較的難易度が低め(と思われる)施設を割り振ってもらえるはずなので、易しい施設の特徴を挙げておきますね。

 
  • PIが優しい…機嫌を損ねやすかったり、わがままで無理を言う医師もいます。
  • 病院内の書類手続きが少ない…大学病院のように病院の規模が大きいとクリニックのような小規模の施設では求められないような書類まで提出する必要が出たりします。
  • レスポンスが早い・対応をしっかりしてくれる…メールの返事が早かったり、症例報告書の記載をしっかり訂正してくれるなど、協力的だとやりやすいですね。
  • オフィスから近い…遠方だとスケジュール管理や体力的な辛さがありますし、土地によっては人柄や性格も違ったりしますね。
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がんの試験 

次に忙しいかどうかの基準になるのは対象疾患の種類です。中でも頻繁に辛いと聞くのはがんの試験です。
余談ですが、CRA間ではがんの試験のことをよく「オンコ」って言います。
 
がん治療は他の疾患より複雑で合併症も多く、副作用が出やすいと聞きます。
 
そのため有害事象(AE)が多く、CRAなら誰もが震える重篤な有害事象(SAE)も起こりやすいと聞きます。
 
ちなみにSAEの定義は基本的に以下の7つです。
J-GCP(日本のGCP)とグローバル試験で用いられるICH-GCPで少しだけ言葉が異なるので、一度みなさん自身でもお調べください^^
ここではJ-GCPの定義を分かりやすさ重視のため、簡略化して書きます。
  1. 死亡
  2. 死亡の恐れ
  3. 入院又は入院期間の延長
  4. 障害
  5. 障害の恐れ
  6. 上記に準じて重篤
  7. 先天異常
 
試験によっては妊娠もSAEとみなすことがありますので、CRAになったらその試験でのSAEの定義をまずチェックしておきましょう。
 
細かい手続きは試験によって異なりますが、原則的にSAE・AEが起こると報告手続きが必要になります。
 
特にSAEの場合は発生してから24時間以内に施設スタッフからCRA、製薬企業にまで情報が伝達されないといけませんので、土日や有給取得中でもお構い無しに対応を迫られます。
SAEは発生したこと自体がインパクトの大きいことですので、もし24時間以内に第一報を報告できなければ自社だけでなくクライアント(製薬メーカー)の社会的な信用度も下がります。
 
ちなみにAEはSAEほど大掛かりな対応は要りませんが「治験薬と因果関係のある症状」だけでなく「治験薬と因果関係のない症状」(ハサミで手を切った、道でこけた、車に轢かれたなど)も含まれますので、
 
それなりに頻繁に対応しなければいけなさそうな感じがする…、とイメージしてもらえたらいいかと思います。
 
もちろんがん以外にも試験にはそれぞれの難しさがありますので、一概にがん以外は難しくないとは限りません。
アルツハイマー型認知症を対象にした試験では治験薬が効いているかどうか評価が難しかったり、グローバル試験だと有効性評価に外国人患者向けのスコアを用いた結果、アジア人患者には適当ではなかったりといった難しさもあります。
 
試験特有の難しいポイントは最初のトレーニング時に製薬企業側が周知してくれるはずなので、その時に覚えましょう。
  

まとめ

以上、しんどい面を書きましたが、あくまで傾向なので参考までに。
 
実際には上記以外にしんどいこともあると思います。
逆に中には、立ち上げの時のテキパキ動く感じが楽しい!がんの試験は勉強になるし、本当に苦しんでいる人のために働けている実感がある!
など、どう思うかは人それぞれです。
ただ、どちらも乗り越えればCRAとして大きなスキルアップになるのは間違いないとは断言できます。
CRAに興味がある人、目指している人、実際にやっている人にとって有益な情報となれば嬉しいです。
ご健闘を祈っています、長文読んでくださってありがとうございました!
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