【治験の書類】説明・同意文書って何?実際に使われるまでの流れ・用途についてまとめ

公開日: : 最終更新日:2018/11/15 CRA, CRAの実務

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どうも!CRAブロガーの心一です。

今回は治験の書類シリーズとして、説明・同意文書について書いていきます。

英語でInformed Consent Formということで、CRAやCRC間では略してICFと呼ぶことが多いです。

また、上の画像のように、表紙には説明同意文書ではなく「患者さんへ」と表記されていることが多いと思います^^

実物を見たい方は大学病院だと病院様式のICFを持っていることが多いので、

各大学病院の治験管理センターのホームページを確認すると良いですよ。

それではどうぞ!

 



 

なんのための書類か?





一言でまとめると、患者さんに治験について説明&参加の同意を得るための文書です。

責任医師・施設スタッフが説明したり、患者さん自身が読んで理解するために説明文書を読み、

患者さんが治験に参加する意思を表すために同意文書に署名をすることになります。

厳密にはこのように、2種類の書類なのですが一式の文書として扱い、まとめてICFと呼ぶことが殆どです。

患者さんのために使う書類なので、医薬品の知識がなくても伝わるよう、できる限り平易な文章・言葉で記載されています。

記載内容としては治験実施計画書(プロトコル)の内容と似ていますが、ICFの方が断然理解しやすいですね。

 
治験実施計画書の説明はこちら
 

ちなみに、ICFに記載されるべき内容についてはGCP第51条で以下のように規定されています。

(説明文書)
第五十一条 治験責任医師等は,前条第一項の説明を行うときは,次に掲げる事項を記載した説明文書を交付しなければならない。
一 当該治験が試験を目的とするものである旨
二 治験の目的
三 治験責任医師の氏名,職名及び連絡先
四 治験の方法
五 予測される治験薬の効果及び予測される被験者に対する不利益
六 他の治療方法に関する事項
七 治験に参加する期間
八 治験の参加を何時でも取りやめることができる旨
九 治験に参加しないこと,又は参加を取りやめることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨
十 被験者の秘密が保全されることを条件に,モニター,監査担当者及び治験審査委員会が原資料を閲覧できる旨
十一 被験者に係る秘密が保全される旨
十二 健康被害が発生した場合における実施医療機関の連絡先
十三 健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨
十四 健康被害の補償に関する事項
十五 当該治験に係る必要な事項

引用:医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
PMDAのホームページより

実際にICFを手渡されたら、これらの内容が含まれているか確認してみると勉強になりますよ^^

 

作成までの流れ





このブログではすでにプロトコル、治験薬概要書(IB)について紹介しておりますが、この2つはどちらも治験依頼者(製薬企業)が作成するもので、

ICFはというと作成者・作成の手順が少し異なり、治験依頼者が責任医師に作成依頼しなければならないと日本のGCP(J-GCP)第9条で定められています。

(説明文書の作成の依頼)
第九条 治験の依頼をしようとする者は,治験責任医師となるべき者に対して,第五十条第一項の規定により説明を行うために用いられる文書(以下「説明文書」という。)の作成を依頼しなければならない。

引用:医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
PMDAのホームページより

 

そのため、依頼者はあくまで「案」という形でICFの雛形を作成し、それを各施設の責任医師にCRAが提供・作成依頼をお願いすることになります。

最終的には各施設に適したICFに仕上げられ(この段階では施設版ICFと呼びます)、治験審査委員会の承認後に実際に使用できるものとなります。

ちなみに、引用文の”責任医師となるべきもの”というのは、ICF作成を依頼する段階では、

依頼者と医療機関の間で治験実施の契約が行われていないため、厳密には責任医師ではないということからこのような表記にされています。

 

治験依頼者は病院に治験をしてもらうようお願いするんですから、必要な書類は依頼者が用意することが多いのですが、

治験期間中に施設内で使用する書類は、ICFのように施設側と話し合いながら作成していくものがあると覚えておいてください。

 

治験薬概要書(IB)についてはこちら
 

 

改訂時は手間・時間がかかるので注意





作成責任は責任医師にあるので、ICFの内容に変更が必要だと責任医師が判断したら改訂することになります。

例えば、有害事象・副作用の情報(安全性情報と呼びます)がどこかの施設で起こった場合、

①治験依頼者にその安全性情報が報告
→②治験依頼者からCRO
→③CROのプロジェクトリーダーから各CRAに
→④CRAが各自の担当施設に

という順で伝えるのですが、この④の時に各責任医師に新しく報告された安全性情報いついての見解を聞きます。

ICFにも安全性情報が載っていますので、新しい安全性情報を追記する必要があると責任医師が判断すればICFを改訂することになります。

 

改訂することが決まれば、新しく追記される情報を既に参加してくださっている被験者さんに伝え、治験継続について意思を確認&その内容を記録に残し、

ICFを改訂→治験審査委員会に審議依頼→審議の結果承認→承認後のICFを用いて再度同意を得る(署名を得る)ということになります。

 

これがプロトコルやIBであれば依頼者が改訂して、治験審査委員会にかけて終わりなのですが、上記の通り、
  • 作成責任が責任医師にある
  • ICFを用いて治験参加について再同意を得る必要がある
 

という点において、ICFの場合は時間・手間がかかりますので注意が必要です。

 

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アサインされたらプロトコルより先にICFを読む!





これは当時の教育担当の方に、「試験にアサインされた直後って、何からしますか?」と聞いたときのテクニックです。

上のほうでも書いた通り、ICFの内容はプロトコルに近く、患者さんにも伝わるよう簡単な文章で書かれています。

CRAとして最終的にはプロトコルの内容を理解しないといけないのですが、“さわり”としてまずはICFから読むのは有効な手だと思います。

 

実際読んでみると、そもそもなぜ治験が必要なのか?といった基本的なところから始まり、

どの来院でどんな検査をする、合計で何mLの採血をする、費用の負担はどうなっているなど、

患者さんの立場なら気になるであろう説明が分かりやすくされている資料だなといつも思います。

 

前相試験で観られた重篤な副作用など、患者さんに関わる重要なことは特に分かりやすく書かれていますし、

プロトコルだけを読んでいたら気づきにくいことなどにも気づけて勉強になります。

治験で扱う文書なので、一通り目を通すべきですが、順番を選べるならプロトコルより先にICFを読みたいと僕は思います

 

 

まとめ





以上、今回は説明同意文書(ICF)についてでした!

個人的にはCRAが扱う書類ではプロトコル・IBに次いで印象的な資料だと思います。

みなさんがCRAになったときはプロトコルだけじゃなく、ICFも読むことをオススメです!

読んでくださってありがとうございました~!^^

 

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